JICEではサウジアラビア日本自動車技術高等研修所(Saudi Japan Automobile High Institute, 以下SJAHI*)から研修生を招へいし、マネジメント研修及びインストラクター研修(2019年11月10日~12月13日)と学生海外実習プログラム(2019年7月20日~8月2日)を実施しました。
インストラクター研修の3名は、始めにビジネスマナー、日本文化・日本語、レポートの書き方などをJICEで学びました。その後、自動車新技術や最新整備技術について学ぶため、トヨタ自動車株式会社といすゞ自動車株式会社にて技術面の研修を受けました。また、マネジメント研修と一部合同で管理手法や教授法等マネジメントスキルについても学びました。
一方、マネジメント研修ではSJAHIの自立的運営・管理の強化を目指し、学校運営・管理手法、リーダーシップ、試験評価制度やカリキュラム作成手法などの分野を集中的に学ぶため、SJAHIからマネジメント職員2名が参加しました。日本工学院八王子専門学校、ホンダテクニカルカレッジ関東、日産愛知自動車大学校、トヨタ名古屋自動車大学校、トヨタ東京自動車大学校での研修に参加し、読売自動車大学校他、専門学校見学も行いました。さらには、株式会社リーム中産連主催のSHOPセミナーに参加し、日本企業に特徴的な経営・管理手法、評価方法、問題分析・解決手法、部下や学生との接し方等、マネジメントに求められるスキルについて総合的に学びました。
研修の最後に当たり、研修受入企業等の関係者をお招きし、研修報告会と修了式を実施しました。マネジメント研修生とインストラクター研修生それぞれが、日本で学んだこと及びSJAHIに戻ってからのアクションプランを発表しました。経済産業省、一般社団法人日本自動車工業会(JAMA)、各企業・学校の皆様をはじめとする多くの方々のご協力のおかげで、研修生は無事に研修を終えることができました。今回の研修の成果を生かし、研修生の帰国後のSJAHIでの活躍が大いに期待されます。
学生海外実習プログラムは7月20日から8月2日の約2週間に亘って行われ、選抜された向上心が強く成績優秀な15名のSJAHI学生と引率者2名が本プログラムに参加しました。同プログラムは、自動車を取り巻く環境の変化とその理解、ハイブリットカー等の最新の自動車整備に関わる知識と能力の向上、日本式の顧客サービスの視察を目的にしています。今回は東日本三菱自動車販売株式会社目黒店、日本工学院八王子専門学校、日産追浜工場、日産横浜自動車大学校、トヨタ東京自動車大学校、神奈川トヨタ淵野辺店、群馬自動車大学校、いすゞ藤沢工場、いすゞプラザ、ホンダテクニカルカレッジ関東、エヌティーオートサービス昭和島SCを訪問しました。講義、実習、見学を通じて、参加者は電気自動車・ハイブリッドカーなどの高度技術、ディーラーにおける顧客第一のサービス精神、職業倫理、5Sと改善活動などを学ぶことができました。
日本での経験を活かし、卒業後には各職場において指導的な立場を担い、サウジアラビアにおいて普及が見込まれる新型車種整備への円滑な対応や、より高いレベルでの顧客サービス向上への取り組みにつながることが期待されます。
*SJAHIはサウジアラビア政府の要請を受け、日サ官民(日本側は独立行政法人国際協力機構(JICA)とJAMA)の合同プロジェクトとして2002年9月に設立された研修所です。JICEが経済産業省の補助金事業により、専門家派遣、研修生受入事業を継続しています。
研修事業部 管理・プロジェクト課
川邉 瑠美