中国江蘇省衛生健康委員会から派遣された医師20名が、8月28日から11月19日まで約3か月にわたる本邦研修に参加しました。この研修は、日本における高度な診断・治療技術やチーム医療、人材育成などを学び、日本の医療関係者との交流を通して今後の江蘇省における医療の更なる向上に貢献することを目的とし、JICEと江蘇省衛生健康委員会が締結した協力協定に基づき、2012年より実施されています。
医師たちは「大阪公立大学医学部附属病院」「大阪国際がんセンター」「がん研有明病院」「慶應義塾大学病院」「埼玉医科大学国際医療センター」「埼玉医科大学病院」「順天堂大学医学部付属順天堂医院」「帝京大学医学部附属病院」「東京医科大学病院」「日本医科大学付属病院」(50音順)に分かれ、各診療科の指導教授のもと11週間の研修を受けました。
病院研修に加え、JICEでの共通プログラムとして、厚生労働省による「日本の医療提供体制」、上塚芳郎先生(一般財団法人松本財団 顧問・医師、JICE評議員)による「日本の医療システムの問題点」についての講義のほか、JICE日本語講師による日本語講座を実施しました。また文化活動として京都・清水寺、鎌倉・鶴岡八幡宮への表敬訪問や、ホームビジットを行いました。
帰国前日の成果報告会では、専門技術のほか、病院や医局のマネジメント、若い医師の教育、患者との関係など多くを学ぶことができた、また、日本の医師など病院関係者と良好な関係を構築することができたとの報告がありました。さらに、日本での経験を後輩たちに共有し、学んだことを生かしたい、日本の指導教授を中国に招へいする予定であるとの今後の抱負が聞かれました。
大阪、東京でそれぞれ実施した送別会には、受入病院の多くの先生方にもご参加いただきました。受入側にとっても貴重な機会となりよい刺激になったとの感想や、今後も共同研究をする等の交流を続けたい、中国を訪れる機会を持ちたいとの声が寄せられ、双方が再会を約束する姿が見られました。
JICEは今後も江蘇省衛生健康委員会と協力し、日中間の医療交流に寄与するプロジェクトを実施してまいります。
国際研修部研修課