UAEチームは、1月21日(土)に訪日。コーチらの判断により大寒波の日本の環境に選手たちの身体をゆっくりと馴染ませることを優先し、大幅なスケジュール変更も生じましたが、JICEはこれまでの知見を活かしながら柔軟に対応し、ハラルに対応した食事の手配をはじめ、全日程における滞在のサポートを行いました。
今回の試合は、1日目と3日目がユニファイドフットボール※、2日目が知的障がい者同士のマッチで行われました。本プログラムの決定を機に2022年11月にJFFIDによって新設された「知的障がい者サッカー⼥⼦⽇本代表」にとって、これが初の国際試合となります。
年間を通して気温が10℃を下回らない環境で暮らすUAEチームにとって、冷たい風の吹く高円宮記念JFA夢フィールド(千葉県)は厳しい環境でしたが、駐日アラブ首長国連邦大使館参事官Mr. Mohamed Alfalahiからの訪問なども受けながら、チーム一丸となって士気を高める様子がうかがえました。
スペシャルオリンピックスUAE女子ユニファイドフットボールチーム監督 Ms. Houriya Al Taheriから「ベルリン大会を控えた選手たちにとってもよい経験になったし、成長する機会となりました。ホストしてくれた日本代表チームや関係団体に感謝しています。次はぜひUAEで対戦しましょう。」とのコメントをいただいたほか、日本代表チームの稲葉政行監督からは「海外チームとの対戦により選手たちは、自分たちも世界と戦えるという希望が持てました。これで終わりではなく、今後もJICEをはじめとした各機関、団体の力を借りながら、知的障がい者女子サッカーの世界大会が開催できるよう頑張ります。」と今後の意気込みを語ってくださいました。
各チームの選手たちからは以下のコメントをいただきました。
⚽ 工藤選手:4~5年前から稲葉監督に「女子も海外チームと戦いたい、世界大会をやりたい」と言ってきた。こんなに早く実現して本当に嬉しい。
⚽ 石橋選手:UAEチームの皆さんは積極的に日本語で話しかけてくれるなど、想像していた以上にフレンドリーだった。ぜひまた対戦したい。
⚽ 山下選手:守備もしつつ攻撃もできるチームにしていこうと話していたので、体幹の強いUAEに対しても積極的に攻めていった。このまま日本代表に選び続けてもらえるようなプレーをしていきたい。
⚽ マリアム選手:日本チームは強かったけれど、試合を重ねるにつれて、UAEチームもよくなったと思う。次は日本チームもUAEに来てほしい。
⚽ サルマ選手:日本チームと試合ができて楽しかった。日本チームの人とたくさん話したし、友達もできて嬉しい。
⚽ アイシャ選手:3日間の試合はとてもきつかったけど、ベストを尽くそうと努力した。日本で新しい文化を学ぶことができたことがとくに楽しかった。
最終日に実施した閉会セレモニーでは、(一社)日本障がい者サッカー連盟会長の北澤氏および(公財)日本サッカー協会理事であり同協会女子委員会委員長の佐々木氏より、選手たちへの激励とJICEへの感謝の言葉、そして今回の親善試合をきっかけとした今後のスペシャルオリンピックス女子チームの発展を願うコメントをいただきました。
今回のプログラムの実施を通じて、日本における障がい者サッカーの普及状況や取り組みを紹介したほか、障がいや性別に関係なく、誰もが参加できる“スポーツの役割”について両国の知見を深めました。本事業の成果を以って、JICEは今後も日本とUAEのさらなる関係強化を目指します。
※ユニファイドフットボールは、知的障がいのある人(アスリート)と知的障がいのない人(パートナー)がチームメイトとなって競技を行う、スペシャルオリンピックスの取り組み。今回は、知的障がいのあるアスリート4名、知的障がいのないパートナー3名でチームを構成。