JICEは、2018年7月15日〜2018年7月24日の日程で、アラブ首長国連邦(以下、「UAE」)の人材育成コンサルタント企業OPIC Consulting and Training(以下、「OPIC」)と共同で、UAE高校生リーダー訪日研修プログラムを実施いたしました。
本研修は、2020年のドバイ万博で活躍するボランティアリーダーの育成を目的としており、ボランティアリーダーとして万博に参加する予定のUAEの高校生41名及びOPIC、UAE教育省、助成団体であるWatani Al Emarat Foundation等からの引率者9名の合計50名が参加しました。
旧来より様々なボランティアが活躍する日本で、日本人の日常生活やモラル・精神にも触れながら、ボランティアについて多面的に学び、リーダーとしてのスキルや実践経験を習得できるような研修プログラムを、数か月かけてOPICと企画し、実施いたしました。
プログラムは、ボランティア、リーダーシップの理論を学ぶパート、ボランティアを体験、実践するパート、日本文化を知るパートの3つで構成いたしました。
東京都内のプログラムでは主に、ボランティアの定義や必要な素質を考えるための講義、国際スポーツイベントでのボランティア体験談を聞いたほか、実際にボランティアから街案内をされる立場を体験したり、アニメデッサン等の日本文化にも挑戦したりしました。
プログラム半ばは場所を長野県白馬村に移し、リーダーシップスキルを高めるためのワークショップや植物園の整備ボランティアを行いました。また、白馬高校を訪問し、同世代の生徒同士の交流の他、掃除体験をしました。ホームステイ・ホームビジットでは日本人が普段大切にしている価値観や習慣等を通じて、ボランティア精神やリーダーに必要とされる姿勢を学びました。
そして、本プログラムのメインとして、滞在中に開催された白馬スノーハーブクロスカントリー大会(2,000名規模)において、会場設営、参加賞の準備、受付補助等を2日間に亘り行い、ボランティア実践経験を積みました。
UAE高校生は精力的に大会準備に携わり、猛暑にもかかわらず、皆で歌いながら楽しんで活動に取り組んでいました。
彼らの頑張りを見た村役場関係者の計らいで、大会の開会式で参加者の前に全員が登壇し、ボランティアとしての活躍を村長から紹介していただきました。
今回参加したUAEの高校生は、10日間のプログラムを通し、ボランティアとは何かということに、真剣に耳を傾け、考え、プログラムの合間も日本人の精神に則り、時間をきちんと守り、率先して課題をこなしました。
報告会では、Khaled Alameri駐日UAE大使をはじめ、2020年のドバイ万博に向けて、経済産業省、日本貿易振興機構からも出席があり、大変盛大なものとなりました。UAEの高校生から、今回のプログラム内容をまとめたショートムービーの形式での報告があり、プログラムの成果が十分確認できました。また、報告会後、前在UAE特命全権大使 加茂 佳彦様より、「UAEと日本 未来を担う青少年の力」と題し、UAE高校生に向け特別講演をいただきました。
2020年は3万人もの若者ボランティアが活躍するドバイ万博にぜひご注目ください。今回の研修に参加したUAE高校生が、「万博のボランティアリーダー」の一員として活躍することが期待されます。
ドバイ万博は2020年10月20日から2021年4月10日までの開催予定です。
JICEは今後もOPIC Consulting and TrainingとともにUAEをはじめとした中東の青少年の人材育成事業に積極的に取り組んでまいります。