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ベトナム 円借款カントー大学強化事業 日本語研修の実施について

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JICEは、2017年6月5日より、円借款「カントー大学強化事業」で、本邦大学院に留学予定の若手教職員21名に対して、日本から講師を派遣し、ベトナムで3カ月の日本語研修を実施しています。

本研修は、カントー大学の若手教職員が、日本語の習得を通して、日本社会や文化への理解を深め、日本人とネットワークを構築し、留学の成果を最大限高めることを目的とします。本邦大学院の教育プログラムは英語で実施されますが、研究室での日本人学生との関係構築や日常生活には日本語の習得が不可欠です。本研修はその第一歩となる初級レベルの日本語の習得を目指します。

研修前半は週3日夜間2.5時間、後半は週4日、1日4.5時間のカリキュラムで構成され、8月31日までに約170時間の授業が実施されます。日本語のみならず、日本文化や日本事情にも比較的多くの時間を割き、来日直後から実際の生活で使える日本語の習得に重点を置いています。そのため、文法にとどまることなく、実際に日本で発生すると想定される様々な場面を乗り切れるレベルに到達することを目標にしています。

本事業は、ベトナム南部に位置するカントー大学の農業、水産・養殖、環境分野における研究・教育能力の強化を通じて、ベトナムの農水産業の持続可能な開発と国際競争力の強化、並びにメコンデルタ地域の環境問題への対応を目的とします。本事業は4つのコンポーネント(人材育成、共同研究、研究施設建設、研究機材調達)で構成され、人材育成では、カントー大学の教職員が、本邦大学院へ留学(博士及び修士課程)や短期研修を通じて、研究能力を強化し、帰国後、カントー大学の中核人材として、日本の大学との共同研究や教育プログラムの開発、大学運営・ガバナンスの強化において活躍することが期待されています。

JICEは2016年12月から、カントー大学とのコンサルティング・サービス契約に基づき、主に人材育成において、アカデミック・コーディネーターとして、留学候補者と受入大学のマッチングや滞日中のモニタリング、緊急時支援等を実施しています。

JICEは、これまで約40年に渡り技術研修員や留学生、定住外国人に対して、日本語研修を提供してまいりました。それぞれのニーズに合わせた日本語や日本事情の理解等、実践的な日本語研修がJICEの第一の特徴です。本事業においても、経験豊富な講師と効果的な教授法、そして目的に合わせた効率的な指導により、日本の博士課程や修士課程に留学する受講生にとって最適の日本語研修を提供してまいります。

日本語研修初日の集合写真(前列中央がJICE日本語講師の手島利恵)

留学生事業第一部 留学生事業課
田中 彩菜