JICEの国際交流とは

参加者の声

【インタビュー】MIRAI2018科学技術に参加した英国のトーマス・ゴンダさんにメールでインタビューを行いました。

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トーマス・ゴンダさんは2019年1月にMIRAIプログラムの一環として「科学技術」をテーマとするプログラムに参加しました。ゴンダさんは、東京大学生産技術研究所と英国王立美術大学が共同で運営している「東京デザインラボ」にインターン研究生として留学中です。

―どうしてMIRAIプログラムに参加したのでしょうか? 

私がMIRAIプログラムへの参加を決めたのは、日本はいつでも魅了してくれる国であり、その文化だけでなく世界経済における日本の役割についても深く理解できるユニークな機会だったからです。これまでに様々な国に住んできたので、異なる環境や文化そして人々の中にいることは、常に豊かな経験となるということを私はよくわかっています。

―一番印象に残っていることは何ですか? 

MIRAIプログラムは、凝縮された1週間で幅広いトピックと産業を経験できる良い機会だと思います。このような経験は、特に私のような若い学生には滅多になく貴重なものです。プログラムに参加して、政府、産業、研究機関、そして日本の人々がそれぞれとどう関わっているのか、日本の科学技術の仕組みをよく理解できました。日本国内のことを理解することにより、国際社会における日本の役割も理解することができました。
もう一つは、広島の原爆からの生還者、被爆者の証言が記憶に残るものでした。その話には本当に心を動かされました。日本人の記憶に、そして日本人と技術との関係性に原爆がどう影響したのかをより深く理解しました。

JICEスタッフやコーディネーターのサポートはどうでしたか? 改善点があれば教えてください。

JICEの組織はとても精密でした。到着時、スケジュール表を受け取りましたが、それがほぼ10分単位で刻まれており、私はとても衝撃を受けました。このおかげで私達の経験はシームレスかつとても快適になりました。日本人の調整能力と、いかに彼らが品質の高いサービスのために努力するかを示す完璧な例となりました。

MIRAIプログラムにて

―現在日本の大学で何を学ばれていますか? またどうしてそれを学ぼうと思いましたか?

私は今、東京大学生産技術研究所と共同運営の「東京デザインラボ」でインターン研究生として働いています。ラボの目指すところは、「デザインで科学を展開可能なイノベーションに」することであり、デザインシンキングについての知識を全国に広めることと産学連携の強化を目的としています。インペリアル・カレッジ・ロンドンでデザインエンジニアリングを学ぶ一学生の私にとって、ラボでの経験は、世界で異なる視点をもった人々と協議し、アイデアを出し合うという、とてもユニークな機会です。日本は産業と技術の発展において私が住んでいるフランス、そして学んでいる英国と同じぐらいのレベルにあります。それぞれの文化が技術を活用する方法にどのように影響しているのか、技術発展が異なる文化の中でどのような性質を帯びるのかを知ることができました。
事実、私は学際的なデザインエンジニアとしてのスキルとヨーロッパ人としての価値観が、将来日本にとって非常に価値があると確信しており、日本の考え方を海外に広めることができると考えています。ますます進化していく世界で日本は変わっていくでしょう。そしてこのグローバル化な流れの中では、日本の社会、文化と価値観について深く理解している人が、この変化を主導するべきです。私のようなデザインエンジニアは、現代におけるエンジニアリング、科学、デザインそして芸術の間での知識の絡み合いを知ることで、前向きな思想家になることができると確信しています。 

―日本での生活はいかがですか?

日本での生活をとても楽しんでします。新宿からちょうど20分の笹塚に住んでいますが、こんなにも穏やかで静かな生活を都心に近い場所で送ることができるのかととても驚いています。私は毎週末、周辺を散策したり、小旅行をしたりしてゆっくりとこの国の素晴らしさを発見しながら過ごしています。そうして過ごしていけば、そうするほどこの国を好きになっていきます。
滞在期間は6ヶ月ですが、見るべきものがあるので、もう一度来日して3、4年住みたいと思っています。春の終わりから夏までの日本しか経験していないので、今度は全ての季節を経験したいです。

―これからJICE国際交流プログラムに参加する人たちへアドバイスをお願いします。

「進んで試して経験しよう。」 国際交流プログラムは、新しいことを経験し、長期的に多くの責任を負うものでない、とてもユニークな機会だと言えます。参加したなら、好奇心を持ち、質問をして、そばにいる人々を最大限に活用してください。プログラムから得られる思い出も素晴らしいですが、プログラムを通して築き培ったネットワークが鍵となるでしょう。これらの出会いから何が生まれるか、決してわかりません。だから、できるだけやってみることです。

近影

問い合わせ先

JICE 国際交流部 青少年交流課

03-6838-2730