中国江蘇省衛生健康委員会から派遣された医師26名が約3か月にわたる研修に参加しました。
この研修はJICEと江蘇省衛生健康委員会が締結した協力協定に基づき、2012年より毎年実施され、コロナ禍による中断を経て本年再開されたものです。日本における高度な診断・治療技術やチーム医療、人材育成などを学び、日本の医療関係者との交流を通して今後の江蘇省における医療の更なる向上に貢献することを目的としており、今年は5月と10月の2回実施、あわせて26名が参加しました。
医師たちは「がん研有明病院」「北里大学病院」「大阪国際がんセンター」「北里研究所病院」「慶應義塾大学病院」「国立循環器病研究センター」「川崎幸病院」「杏林大学医学部付属病院」「大阪公立大学医学部附属病院」「東京医科大学病院」「埼玉医科大学国際医療センター」に分かれ、各診療科の指導教官のもと11週間の研修を受けました。東京・埼玉のほか、本年初めて大阪での研修が実現しました。
病院研修に加え、JICEでの共通プログラムとして、厚生労働省による「日本の医療提供体制」、上塚芳郎先生(一般財団法人松本財団 顧問・医師、JICE評議員)による「日本の医療システムの問題点」についての講義のほか、JICE日本語講師による日本語講座を実施しました。また文化活動として京都・清水寺、鎌倉・鶴岡八幡宮への表敬訪問や、ホームビジットを行いました。
帰国前日の成果報告会では、専門技術のほか、病院や医局のマネジメント、若い医師の教育、患者との関係など多くを学ぶことができた、また日本の医師など病院関係者と良好な関係を構築することができた、自分の進むべき方向を見出した、などの声が上がりました。
大阪、東京でそれぞれ実施した送別会には、受入病院の多くの先生方にもご参加いただきました。お互いに信頼関係をもって学び合うことができ今後も交流を続けたい、研修で得た経験を今後に生かしてほしい、との期待が寄せられ、双方が再会を約束する姿が見られました。
JICEは今後も江蘇省衛生健康委員会と協力し、日中間の医療交流に寄与するプロジェクトを実施してまいります。
国際研修部研修課